朝8時。この時間になると眠気もでてきて、目もうつろ。もう本当に頭が朦朧とした状況になっている。また当直医がやってきた。それまでにも1度内診して、いよいよと思わせておいての、「あと少しですね。」と放置されていた。で、今回は、、、
若手当直医:「さんちゃん、ご相談があります。」(←今さら、おもむろに)
若手当直医:「先程から、胎児の頭があと少しのところで止まっています。なので、お産を促進させるために、再度、陣痛促進剤を投与しませんか。陣痛の感覚が狭まって、お産が進みますから。あと少し下りてくれば、鉗子分娩などの方法もあるので、なんとかして取り出せます。促進剤が嫌でしたら、このまま、また数時間いきんでもらってもいいんですけどね。それだとお昼くらいまでかかってしまいます。促進剤さえ使えば、あと1時間ですから。それでもダメなら最後は帝王切開っていう方法もあります。」
さんちゃん:「あの、さっきから、ずっと、あと少し、あと少しって言って、全然状況が変わらないじゃないですか。もう帝王切開でいいと思うんですけど。」
若手当直医:「えっ?今、このタイミングで帝王切開を選ぶんですか?さんちゃんは、自然分娩を希望してるんですよね?ここまで10時間以上がんばってきて、ホントにあと少しなんですよ。(何言っちゃってるの、という表情)」
さんちゃん:「ああ゛あ゛あ゛あ゛、うう゛う゛う゛う゛」(陣痛のため悶絶)、あのですね、自然分娩にこだわっているわけではないんですよ。私は赤ちゃんを安全に無事に産むことが一番大事だと思っているんですよ。」
さんちゃん:「(夫に向かって)ね?もう帝王切開でいいよね?」
さんちゃん夫:「(先生に向かって)母体にとっては自然分娩の方がいいんですよね?」
さんちゃん(心の声):「おいおいおいおい、何言うてんねん。ここは帝王切開に同意するとこでしょーー。」
若手当直医:「はい、開腹するより、自然分娩の方が母体にとっては負担が少ないです。」
はい、オワッタ。2対1みたいになって、あと1時間、陣痛促進剤を投与しながら、再び陣痛と闘うことが決まった。「ああ゛あ゛あ゛あ゛、うう゛う゛う゛う゛」、あと1時間だけ、1時間だけ頑張ろう、頑張らなきゃ。。
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