上司に会議室に呼び出された。何だろう、と行ってみたら、こう言われた。「派遣社員の採用、1名あたってくれないか」。そのあとの説明に、間違いなく私の顔は、固まった。「浅井さんがね、おめでたなんだよ。」って。浅井さんとは、同じチームの同僚で、前からこの人も不妊治療してるんだろうなぁと思っていた女性。訊いてないけど、遅刻や早退の頻度からして、通院してるんだろうな、と思ってた。いつか彼女が先に産休とることになったら、私取りにくいなぁと勝手に意識していた人。その彼女が、、おめでた。頭が真っ白になってしまって、その後の説明が全然頭に入ってこなかった。彼女のほうが1年あとに結婚したけど、歳は40歳なんだから、先に妊娠したって何の不思議もないじゃない。でも、よりによってなんで私が、人の産休のサポート探さなきゃいけないわけ!この上司は、私が流産したことを知ってるのに、どんな気持ちでそんな指示を⁈ いろんな思いが、わーっと頭の中を駆け巡る。上司には、「はい、すぐ探します」とだけ言って、デスクに戻った。でも、心がざわざわしたまま。仕事が手につかない。小声で「おめでとう」って声かけに行かなきゃ。行かなきゃ。言わなきゃ。と思うのに、どうしても彼女の顔がまともに見られない。ごめんなさい、ホントに器の小さな人間でごめんなさい。でも、お願い、午後から、私も自分の判定聞きに行くんです。だから、せめて、それが終わってから言わせてください。たとえ、ダメだったとしても、すべてが落ち着いたら、きっと、今より心をこめて言えるから。おめでとうって。
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