土曜のクリニックはいつも以上に混んでいます。不正出血を報告した問診時も、先生は、それはそれは忙しそうで。それでも、これまで、きっちり28日周期で生理がきていた私は、この突然の不正出血が受け止められず、先生の前で落ち込んでいた。「あの、先生、この出血は何が原因ですか?」、次の患者さんに移りたそうな先生を引き止めて尋ねてみるも、「わからない。ホルモンバランスの影響でしょう。」この回答を引き出すのが精一杯。
暗い顔のまま別の部屋に移り、婦長さんから薬を受け取ります。婦長さんもバタバタと、とっても忙しそうなんだけど、それでも、訊かずにいられなかった。「あの、このルトラール飲んだら、出血止まるでしょうか?なんで生理でもないのに、こんなに出血しちゃっているんだろう」って。そしたら婦長さんは、たくさんの患者さんが待っている待合室の方をチラッとみて、それから、私の目を見てカーテンを閉め直して、そして座ってくれた。「さんちゃん、あなた、急に痩せたでしょ。顔つきが細くなったもの」と優しく肩をたたかれた。全然痩せていなかった。それでも、涙がでそうだった。婦長さんが、親身になって、一緒に考えてくれていることが伝わって。風邪引いちゃったときの、お母さんみたいな温かさ。「3人目なの。今周期は、なぜだか、いつも出血のない人たちが、もう3人も出血してるのよ。なんでなんでしょうね。」「出血がひどいようだと、薬では止まらないかもしれないけど、ちゃんと飲んで、また診せにきてね。」
症状は何も変わらないんだけど、婦長さんと話せたことで気持ちが少し軽くなった。顔も知らない、あと2人の不正出血に悩んでる方もいるんだ。ひとりじゃない。
外に出たら、気持ちの良い青空が広がっていた。
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